来栖川HM物語(偽) 設定

タイトル未定
・来栖川でHMなものがたり。
・設定資料風の内容は基本的にでっち上げなので、この話以外では通用しない。
・ツッコミどころ満載でイタイ内容なのは承知の上なので、ツッコミ不可。

・人物
主人公:城築 玲一(キヅキ レイイチ)
 孤独な青年富豪。とある地方都市の郊外で、広大な敷地とこぢんまりとした屋敷に住み暮らす男。地方の名家出身だが、数年前に祖父の遺産相続で親類とやりあって以来、一族とは疎遠になっている。父母は、彼が中学生の時に事故で亡くなっている。
 元々孤独癖の強い質であったが、両親の死とそれに続く祖父の死、加えて親族間の醜い争いが、人間不信ともいえるひどく醒めた価値観の持ち主に変えてしまっている。
 遺産整理が契機となって、株売買を中心とした投資方面に進み、現在はその資本を生かしたベンチャーキャピタルM&Aプランニング企業を経営している。そのやり方は、一分の隙もないほど冷静かつ合理的で、多くの企業を発展・救済してきた一方で、その一面冷酷ともいえるやり方から少なからぬ恨みも買ってきた。
 徹底して他人を信用しない分、能力や状況からどれだけ相手を信頼できるか、と言う点で非常に優れた人間観察眼を持っており、関係方面では評価も高く、仕事上のつきあいも少なくない。ただし、プライベートではほとんど人間関係が存在しない。
 技術開発系企業の経営コンサルティングを多く手がけている関係から、電器・化学・重工業系列の大資本とつながりが多い。中でも来栖川系とは祖父の代以来のつきあいがあり、来栖川電工(KEW)、来栖川重工(KHI)、来栖川情報セキュリティサービス(KISS)等の株主でもある。このことが、予期せぬ形でHMX−19試験運用ホストに選出されることになる。
 交通事故で重傷を負い、手足の骨折から生活に不自由するため、カスタムタイプのHM−13(感情表現の少ない)を注文するが、なぜか情緒豊かな試作HMが送られてきてしまい、静謐に満ちた私生活が引っかき回されることとなる。

ヒロインその1:ユカ
 来栖川なホームメイドさん。HMX−19試作機No.03。
 発注ミスのフォローとして玲一のもとに贈られてきた……と言うことになっていたにもかかわらず、初日から真相を漏らしてしまい、あまつさえ長瀬一味の陰謀や一件の裏幕までしゃべらされてしまうという、非常にオープンな個性の持ち主。穏やかで屈託のない性格だが、多少天然ボケと毒舌の気が見られる。ぽやや〜んとした独特の雰囲気を持つマイペースなHMであるが、ほかの試作HMにコンプレックスを持っているなど、繊細な面もある。

ヒロインその2:サナ
 来栖川なホームメイドさんその2。表面上HM−13ベースのカスタムモデルと言うことになっているが、実際にはHMX−18先行試作機No.00である。
 突然変異体であるセリオ(偽)に興味を持った長瀬源五郎が、量産型セリオ用AIのうちプレトレーニングで規格外となったものから個性的なものを選び出して、HMX−18用のボディを与えたのがその正体。その性格は極めて非HM的。いたずら好きで不真面目、昼行灯型で常時無能非常時有能。ロボット三原則無視どころか平気で嘘のつける破天荒なHMだが、意外に情に篤く姉御肌で、純情な一面もあったりする。

ヒロインその3:城築 円香(キヅキ マドカ)
 玲一の異母妹(自称)。HM二人の割拠する城築邸に乱入し、一家三分の計を仕掛ける策士。身よりのない生き別れの妹を装い玲一に近づくが、その本音はあくまで財産目当てである。実際には城築家分家に養われていた過去があり、血縁上は従妹に当たる。分家で文字通りの継子扱いをされており、城築分家、引いては城築一族に恨みを持っている。

悪玉1:長瀬源五郎(ナガセ ゲンゴロウ
悪玉というか、仕掛け人というか。
HM12市販の際に、「ココロを持つメイドロボは時期尚早」として反対した玲一に、恨みを持っていた。とはいえ、PNNCプロセッサの調達や、HM業界の標準策定などでは相当お世話になっているのも事実であり、玲一にはいつか”いろんな意味で”お礼をしてくれようと考えていた。
玲一の交通事故は渡りに船であり、人間嫌いの玲一のもとに、7研の愛娘達の中でも人間っぽさでは屈指の二機を送り込んで、暖かく賑やかな生活を楽しんで(笑)貰おうと目論んでいる。


来栖川HMシリーズと他社HMの勝手な設定(一部パクリ)

HMX−12マルチ/HM−12マルチ/HM−12+マルチプラス
 来栖川電工が、家庭用ロボット業界に市場参入を決め、市場に投入する初の製品候補機として、HMX−12とHMX−13が競作された。HMX−12の開発コンセプトは、「感情を再現するメイドロボット」であった。それまでの、人間の労働力を肩代わりする存在であったメイドロボットに、人間のパートナーとしての役割を与えることが出来るか、という野心的なコンセプトであった。
 運用試験後、競作対象となったHMX−13の高機能と状況対応能力に比べて性能が見劣りするとの理由で、主力機とは見なされなかったが、ボディ面のシンプルで高性能な点が評価され、感情表現能力をオミットして廉価機として発売されることとなった。
 量産市販機HM−12は、人間と見間違える様な動きと、優秀な学習機能、そしてその価格設定が受けて記録的なセールスを記録し、上位機種HM−13とともに、それまでの”メイドロボ”と一線を画す”ホームメイド”市場を切り開くこととなった。
 爆発的な売れ行きを記録したHM−12であるが、発売後1年でユーザからいくつかの不満点を指摘されることとなった。通信機能が貧弱である、外見の選択肢が少ない、アプリケーションが少なく業務用として使えない、連続稼働時間が不足である、消費電力が多い、ユーザインタフェースが無愛想である、等の点である。これらの不満点の解消に最初に動いたのは、アマチュアロボット技術者を中心としたコアなユーザ層であった。彼らにとって、高性能かつ拡張性にゆとりのあるHM−12はカスタマイズのベース機として最適だったのである。HM−12をカスタマイズするショップや個人層が次第に育ち、パーツを販売するサードパーティや、互換HMメーカーへ成長していくことになる。
 これらのカスタマイズの中で最も難易度が高かったのが、ユーザインタフェースに関わるものだった。HM−12には、学習/最適化機能としてAIの個性化がある程度組み込まれていたが、その表現に必要な感情演算機能と基礎ライブラリはオミットされていたからである。一部ユーザからフリーのカスタマイズツールなどが発表されたが、十分なものとはいえず、未熟なユーザによるHMAIの損壊例などが増えるに及んで、来栖川電工も高機能版マルチの販売を決断することとなる。
 オリジナルHM−12の発売から1年半後に発表されたHM−12+は、通信機能の強化とインフラ整備、連続稼働時間の強化、HM−13互換のSSSオプション、来栖川サポートステーション”K−Beauty”でのカスタマイズサービスなどがアピールされた。しかし、やはり肝といえるのは、当初除外された感情表現能力を、簡素化されてはいるものの十分な機能として備えていたことである。HM−12+シリーズはこれ以降、国民機ともいえる人気を得ることになるのだが、同時に、「人の心を持ったロボット」を社会はどう受け入れるのか、という問題も喚起することとなる。
 諸処の問題も含めて、HM−12シリーズは、その後生まれてくる全てのHMの母あるいは姉と呼ぶべき存在である。
 HM−12は3モデル、HM−12+は限定モデルを含めて16モデルが発売されたが、カスタマイズ産業が成長したため、2台として同一のHM−12は存在しないと言われている。
(HMX−12の設定は、”ペンションえちぜん”さんの「Be My Baby」シリーズのオリジナルマルチから拝借。)
(HM−12+の設定は、”すてっぷ ばい すてっぷっ!”さんのコラム「HMXシリーズ 開発史」で言及されているHM−12plusから拝借。)

HMX−13セリオ/HM−13セリオ
 HMX−12の競作モデルとして試作されたのがHMX−13であり、その量産市販モデルがHM−13である。
 HMX−13の開発コンセプト自体は「人間の生活全般をサポートするメイドロボット」であり、人間の労働を肩代わりすると言う点では、それまでのメイドロボットと何ら変わるところはない。しかし、HMX−13をそれまでのメイドロボットと一線を画する存在たらしめたのは、状況対応能力に優れた高性能AIと、SSS(サテライトリンクサービスシステム)に支えられた高機能であった。(人間と見間違えるばかりの外見と、強力な学習機能についてはHMX−12と共通する。)
 HMX−12との競作の結果、量産効果を含んだ上でも価格設定が高価である点が指摘されたが、画期的な新製品として販売できる点に疑いはなく、HM−12を廉価モデルとして販売する戦略でフォローすることとなった。
 若干の改修を受けたオリジナルセリオと、その後作成された追加試作機15体は、製品完成度の向上のため、日本及び海外で長期運用試験を受けた。これらの16体の試作型セリオは非常に高い評価を受け、全試験機について継続運用の要望が上がった。(これらの機体は、デフォルト=セリオ、通称デリオと呼ばれることが多い。)
 試験の結果を受けて、使用頻度の低い機能の簡素化や、長期運用による可動部分の損耗などを改良され、HM−13は量産市販されることとなった。発表時の反響はすさまじく、初期生産1万台は予約開始15分で完売した。廉価機であるHM−12に比べ普及台数こそは少なかったが、高級乗用車並みの価格にもかかわらず、販売開始から慢性的に数ヶ月分のバックオーダーを抱えるほどの売れ行きとなった。また、試験運用時に高評価を受けた警視庁をはじめとする政府機関や大手企業にも多数のHM−13が納品された。
 HM−13シリーズは、常に来栖川HMのフラッグシップモデルであり続け、それは同時にHM全体の代表的上位機種であったことも意味している。HM−12シリーズが国民機であったのに対して、HM−13シリーズはステータスシンボルであった。
 HM−13シリーズは、発売以降30を超えるモデルが生産された来たが、大まかに分けて5種類に分類することが出来る。
・初期モデル PNNC−205J搭載
 HM−13/A/Bシリーズ
・+モデル      〃      、感情表現機能強化(HM−12+と同時)
 HM−13B/C/Dシリーズ
・中期モデル PNNC−205J/FX搭載
 HM−13F/J/K/Lシリーズ
・後期モデル PNNC−206J/BX搭載
 HM−13R/S/Vシリーズ
・特別モデル 限定生産モデルや特別強化モデル
 限定モデル ES1〜ES4、M、N1〜N7
 政府機関向けモデル Gシリーズ、警察/消防向けモデル Pシリーズ
 教育機関向けモデル Eシリーズ、医療機関向けモデル Qシリーズ
 航空機業務モデル Uシリーズ、護衛業務モデル Hシリーズ
 来栖川グループ基幹業務モデル Iシリーズ
 HMO−13T HMO−16シリーズの事前教育、管理モデル ……等
 HM−18の発売後生産終了する予定であり、最終生産モデルのZシリーズが発売される予定となっている。また、最終生産までにシリーズ総生産台数80万台を突破すると見られており、80万台目はN8モデルとなる。
(セリオ試験機の設定は”芹緒不安倶楽部”さんの「大須芹緒組」シリーズから拝借・流用。)
(限定版ESタイプセリオの設定は、”AOKI MOTORS”さんのセリオページから拝借。ほかの所でも言及されていた気がする。確か「大須芹緒組」だったかなぁ。)

HMX−14ピース/HMS−14ピース
 子供サイズの小型筐体を採用した、HMコンパクト化試験機。当初は随伴型個人情報管理HMとしてのコンセプトモデルであったが、マルチ+シリーズの意外な成功を受けて、”愛玩用ペットロボットの方向性を研究”というコンセプトを付加された。後に、HMS−14として市販され、低価格とカスタマイズオプションの豊富さから大成功を納め、HMの普及に一役買った。通称ミニ子など。
 来栖川電工ではHMS−14シリーズの生産を既に終了しており、それ以降HMSタイプは生産していないが、これは、他社競合製品の成功と、より機能省略と小型化が進み、市場から撤退したためである。グループ企業の来栖川コミュニケーションシステム社からは、ミニHMシリーズが販売されている
 HMX−14の作成機数は12機で、試験ホストは一般抽選から選ばれた。
(”おでかけマルチ”登場のHMX−14ピーチの設定を勝手に変更。)

HMX−15ECシャイン/HMX−15HDデューティー/HM−15HD
 省エネ対策モデル。太陽光線からの発電や、運動による各部アクチュエータからの生起電力再利用、バッテリへの新素材採用など、無充電での長時間利用と消費電力低減をテーマに作成された試験機。当初、省エネルギー化によるオフィスユースでのコスト削減を売りに市販される予定であったが、平行して試験が行われたHMX−16をHMX−15で確認された技術を用いて省電力化することとなり、市販モデルは生産されなかった。
 しかし、試験機の一機が南極昭和基地でテストされ、高い稼働率を修めたことから、極限環境での可能性を探る後期試験モデルが作成された。これはHMX−15HDと呼ばれ、三自衛隊海上保安庁、警視庁等の官公庁のほか、いくつかの米政府機関でもテストされた。結果、電力事情の悪い僻地や宇宙空間等の悪条件下での使用にも耐えうるとの評価から、特殊環境用政府機関向けモデルとしてHM−15HDシリーズが少数生産された。
 ECシリーズは通称エコシリーズ、エコ子等と呼ばれ、HDシリーズはサヴァイバー、サヴァ子、お宮さん等と呼ばれることが多い。

HMX−16ミュウ/HMO−16ミュウ、ニュウ
 思い切った機能限定を行ったモデル。事前に収集された情報を組織内でデータベース化し、その内容を参照して業務などを行う端末機として運用する、バックエンドシステムと一体となったHM。
 HM−13シリーズなどでは既に高度なHM稼働用データベースを実現していたが、あくまで一般的用途を想定したものであり、個別業務のために企業内での事前教育が必要となることも多く、ユーザ企業側の望む即戦力としては不十分な面も多かった。そこで、高機能学習モデルであるHM−12+/13などに施した業務教育をDB化して蓄積し、その情報をフィードバックして使用するシステムと端末HMが研究されることとなった。
 試験の結果、HMの大量導入に適したシステムであると評価され、HMX−15で試験された省電力技術を導入して、HMO−16シリーズとして企業向けに販売された。
 市販のHMO−16シリーズは、筐体のグレードによりミュウシリーズ(HMO−16M系)とニュウシリーズ(HMO−16N系)の二種が販売された。ミュウシリーズは屋外活動に耐える標準機体で長時間行動可能な機体であり、ニュウシリーズは屋内使用専用機で、省電力と廉価な価格設定に重点が置かれている。この2タイプは通信機能などにも差がある。
(”無限機動夜桜”さんの「長瀬源五郎観察日記」に登場するHM6βX−01ミューから設定を拝借・流用。)

HMX−17ユニ
 有機体部品のテストベッド機。全体の30%程度を有機体部品で構成されており、有機体パーツの可能性を模索する試験機体。特に、人間と同じ食事を消化して稼働に必要なエネルギーを得たり、擬似的なセンサーによるものではない肉体的な感覚の取得など、意欲的な技術が盛り込まれている。生産を前提とした試作機と言うよりは技術試験機としての意味合いが強く、また、倫理面からの社会的認知の問題も未解決であるため、ユニをベースとしたHMは量産されることなく終わると思われる。名前の通り、試験機は一機のみでその詳細は極秘事項とされている。
(”ムササビ横町”さんの「セリオ(偽)の話。」に登場するHMX−17uユニから設定を拝借・流用。)

HMX−18アルテ/HM−18アルテ(仮)
 長らくフラッグシップモデルであったHM−13シリーズの後継機と目される、HM−18の試作機。HMO−16までの量産型HMの機能的集大成ともいえるHMである。
 初期試作が終了し、追加試作機20機が運用試験を行っている。

HMX−19ブリリア
 HMX−17で開始された有機体部品の使用と、量子コンピュータ技術の応用(主にメモリ技術と計算アルゴリズム)テストベッドとして開発された機体。投入された技術は先端的なものであるが、コンセプトはあくまで「いかに人間に近いロボットを作れるか」であり、HMX−12直系の機体といえる。