1988-12-28から1日間の記事一覧

レスギンの獅子(2)

マルクが王都ソーリアを旅立ったのは、年が明け、新年の大聖祭で都市中が賑わっている最中だった。黒衣の宰相・ラタス伯の命令は謎めいたもので、ラタールである人物に内密に接触し一通の封書を手渡せというものだった。宰相の名高い『眠り獅子』が鑞に刻印…